全身 麻酔 を受けるのって、何をされる?実際の流れを紹介

全身 麻酔 を受ける際の実際の流れについて、今回はお話ししようと思います。

手術室での 麻酔

手術日決定から手術当日まで 麻酔 への準備

 全身麻酔をかける上で必要な検査は、各病院で決められていると思います。一般的には、一般的な血液検査、胸部レントゲン写真、心電図、呼吸機能検査(検査技師に、「息を吸ってーー!!!はい、はいてーーー!!!」と言われる検査です。受けたことある方なら、この感じがわかっていただけると思います。)などが挙げられます。

麻酔科に依頼していただく時点でこれらの検査を実施、または予定を立てていただきます。これらの検査をもとに主治医の先生や麻酔科で追加の検査が必要かどうかを検討します。

コントロール不良な病気、、、

高血圧症や心臓の病気など   →循環器内科

喘息やタバコによるCOPDなど →呼吸器内科

高血糖や高度肥満など  →内分泌内科

腎機能低下など  →腎臓内科

上記の他にも様々な病態に合わせて、各専門医の先生に診察を依頼し、診察の上で追加の検査や治療を行って頂き、手術に向けコントロールを行います。

麻酔科としてお願いすることは以下のような事があります。

喫煙されている方には、2~4週間の禁煙(詳しくはこちら)

手術予定日の1ヶ月以内の風邪の予防

肥満であれば、できる範囲での減量

喫煙による肺炎など合併症が周術期に増えることは明らかにされています。従って、禁煙ができない場合、手術を受けれない病院もあります。また、手術予定日の直前に風邪をひいてしまった場合も、術後に肺炎などを生じる可能性が高くなることがわかっていますので、基本的には手術延期となります。

内服薬に関しては、術前に中止しなければならない薬が存在します。いつから中止するかなども各病院で決められています。多くの場合、手術が決まった際にお薬手帳を持参して頂き、お薬の確認を行った上で、いつからどの薬を中止するかを説明することが多いと思います。

 問題ないことが確認された上で入院して頂き、手術日前日までに術前診察を麻酔科で行い最終確認をします。ここで新たな問題が発見されることもありますが、、、問題なければ手術当日となります。

手術日( 麻酔 を受ける日)

 まず禁止されるのが、飲食です。固形物を食べることが最初に禁止されます。飲み物に関しては、clear waterであれば手術の2時間前くらいまで許可されます。しかし、この時間も病院によって決まっていますし、手術の内容によって時間は大きく変わってくるため、あくまで目安です。手術当日の朝に内服する薬も決められますので注意してください。

手術室に入室し 麻酔開始

 まずはご本人確認を行います。その後に、ベットに横になってもらい、血圧計、心電図、SpO2モニターで麻酔前の状態を確認します。これと並行して、点滴が入っていない場合は、ここで点滴を取ります。全身麻酔での点滴は、安全を考えた上で太めの針で点滴を取ることがほとんであるため、いつもより少し痛みが強い可能性があります。
 これで準備完了です。顔の前に酸素が出てきているマスクがきます。無呼吸になっても酸素が足りるように、これで体の中に酸素を取り込んでいただきます。その後、麻酔薬が点滴から投与されれば数秒で眠ってしまいます。
 しっかりと麻酔がかかっていることを確認できたら、口から挿管チューブを入れていき、チューブと麻酔器を繋げることで、手術中は機械による人工呼吸で呼吸を維持します。人工呼吸が確実に行えていることを確認でき次第、必要に応じて追加で点滴や胃管(鼻や口から胃まで通る細いチューブ)などを入れていきます。もう患者さんは寝ているので、痛くも苦しくもありませんのご安心ください。

麻酔 が完了し手術開始〜病室に帰るまで

 常に麻酔科医が頭元に存在し、心電図、血圧、SpO2などをモニタリングし、麻酔薬(眠る薬)、鎮痛薬(主に医療用麻薬)、筋弛緩薬(筋収縮を阻害)の調整を始め、人工呼吸の設定、点滴による循環血液量の調整、尿量の観察などを行い、患者さんの安全を手術終了までに導きます
 もちろん予期せぬ大量出血などが起これば、手術の内容、進行も観察していますのでいち早く行動を起こし手術室全体の指揮を執ることもしていきます。

 手術が無事終われば、基本的には手術室で麻酔から起きてもらい(麻酔を切ってから多くの方は、数分で起きます)、呼吸状態などが問題ないことを確認した上で、口からチューブを抜去します。その後も疼痛管理も含めて問題ないことを麻酔科医が確認し病棟などに帰室する許可をします。

手術、麻酔の翌日以降

 主治医のもとで管理が続きます。麻酔科医は翌日に術後回診として状態の確認に伺います。声のかすれ具合や痛みの強さなどの確認をさせて頂き、麻酔科としての関与が終了します。

 術後に何かしらの合併症が生じ集中治療が必要となればICUでまた全身管理をさせてもらうことはあります。

まとめ

 今回は、予定された全身麻酔の流れについて説明してきました。全身麻酔を受ける方の参考になれば幸いです。

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